力学系理論 - 研究内容紹介1 -
このページでは、研究分野である力学系理論について簡単に説明します。
力学系理論とは、時間発展により変化するものを対象とする数学の分野で、原子サイズから惑星サイズの運動、流体、化学反応、脳波や睡眠などのリズム、人口の変動など様々な現象を力学系として表すことができます。 具体的には、\( \mathbb{R}^{n} \ \)やその開集合のような適当な空間を\( X \)、\( t \ \)に依らない写像\( \ \boldsymbol{f} : X \to X \ \) について、以下の微分方程式
力学系理論とは、時間発展により変化するものを対象とする数学の分野で、原子サイズから惑星サイズの運動、流体、化学反応、脳波や睡眠などのリズム、人口の変動など様々な現象を力学系として表すことができます。 具体的には、\( \mathbb{R}^{n} \ \)やその開集合のような適当な空間を\( X \)、\( t \ \)に依らない写像\( \ \boldsymbol{f} : X \to X \ \) について、以下の微分方程式
\begin{eqnarray} \frac{d\boldsymbol{x}}{dt} = \boldsymbol{f}(\boldsymbol{x}), \ \ \ \boldsymbol{x} \in X \end{eqnarray}
を自励的な連続力学系と呼びます。 なお、私の研究では、上の式を \( \boldsymbol{x}_{n+1} = \boldsymbol{f}(\boldsymbol{x}_{n}), \ \ (n=0,1, 2, ... ) \) のように離散的に表した「離散力学系」を対象としています。
離散力学系において、初期点\( \boldsymbol{x}_{0} \)を定めると写像\( \boldsymbol{f} \)により点列\( \{ \boldsymbol{x}_{0}, \boldsymbol{x}_{1}, \boldsymbol{x}_{2}, ... \} \)が得られ、これを軌道と呼びます。 力学系の研究では微分方程式そのものを解くことよりも、軌道や軌道の族の定性的な性質を調べることが多くあり、「相空間」自体や全軌道の概略を相空間上に示した「相図」が重要になってきます。 今ではカオス理論や分岐現象、安定性の解析など、力学系の軌道の性質を調べる研究が広く行われています。「太陽系は安定しているか?」という問いなど、面白い問題が多いです。以下は力学系の問題などの解説動画です。
離散力学系において、初期点\( \boldsymbol{x}_{0} \)を定めると写像\( \boldsymbol{f} \)により点列\( \{ \boldsymbol{x}_{0}, \boldsymbol{x}_{1}, \boldsymbol{x}_{2}, ... \} \)が得られ、これを軌道と呼びます。 力学系の研究では微分方程式そのものを解くことよりも、軌道や軌道の族の定性的な性質を調べることが多くあり、「相空間」自体や全軌道の概略を相空間上に示した「相図」が重要になってきます。 今ではカオス理論や分岐現象、安定性の解析など、力学系の軌道の性質を調べる研究が広く行われています。「太陽系は安定しているか?」という問いなど、面白い問題が多いです。以下は力学系の問題などの解説動画です。

